インデックスと、それから
← Week 09 半導体検査
月解説火深掘り①水深掘り②木深掘り③金比較土自分株
Week 09 — 半導体検査
2026.10.03  ·  土曜 / 今週の自分株まとめ

今週の自分株まとめ——週間-406,259円、日経平均が1カ月半ぶり高値の週に

土曜恒例、今週の自分株まとめ。

今週の週間損益は -406,259円。 2週連続のプラスから一転して、3週ぶりのマイナスとなった。

ただし今週の相場は、指数だけ見ると絶好調だった。10月1日、日経平均は前日比2,203円(+3.3%)高の68,956円で引け、8月17日以来1カ月半ぶりの高値を回復している。

指数が大きく上がった週に、自分のポートフォリオは下がった。今週はこのずれから見ていく。

今週の騰落TOP3

上昇

順位銘柄騰落率
1辻・本郷ITコンサルティング(476A)+51.66%
2フォームファクター(FORM)+14.85%
3日本電子材料(6855)+9.22%

下落

順位銘柄騰落率
1ジャックス(8584)-8.27%
2SBI新生銀行(8303)-7.38%
3オリックス(8591)-6.90%

上昇側には半導体検査の2社、下落側には金融の3社が並んだ。今週の相場の性格が、そのままTOP3に出ている。

指数は上がり、自分は下がった

今週の相場を動かしたのは、米国のメモリー大手マイクロン・テクノロジーの決算だった。

9月30日の米国市場の取引終了後、マイクロンは2026年9〜11月期の売上高見通しを前年同期比4.5倍の615億ドル前後と発表した。実績・見通しともに市場予想を大きく上回り、さらにメモリーの需給は2027〜28年にかけて一段と逼迫するという強気の見通しを示した。

これを受けて10月1日の東京市場では、AI・半導体関連が一斉に買われた。日経平均の2,203円高はその結果だ。

ただし、その日の東証プライムの値上がり銘柄は750、値下がり銘柄は747。指数は3.3%上がったのに、上がった銘柄と下がった銘柄の数はほぼ同じだった。日経新聞はこの日の相場を「半導体局所買い」と表現している。

日経平均は、アドバンテストや東京エレクトロンといった値がさの半導体株の影響を強く受ける指数だ。半導体に資金が集中すれば、ほかの多くの銘柄が下がっていても指数は大きく上がる。

自分のポートフォリオは、半導体関連も持っているが、金融や内需のバリュー株の比重も大きい。資金が半導体に集まり、その分が金融から抜けた今週の動きは、指数には追い風、自分のポートフォリオには向かい風になった。

今週のテーマと、値動きが初めて重なった

一つ書いておきたいことがある。

Week07の水素、Week08の原子力と、テーマとして分析した銘柄はTOP3に一度も顔を出さなかった。今週の半導体検査は、フォームファクターが2位、日本電子材料が3位に入った。 分析したテーマと値動きが重なったのは、この3週間で初めてだ。

しかもプローブカードの会社が上昇TOP3に入るのは、これで3週連続になる。

週上昇TOP3に入ったプローブカード銘柄
Week07日本電子材料(2位、+10.79%)
Week08フォームファクター(1位、+16.32%)
Week09フォームファクター(2位、+14.85%)、日本電子材料(3位、+9.22%)

金曜の記事で、半導体検査は3つのテーマの中で唯一「市場が実需にしっかり値段をつけている」テーマだと書いた。水素は政策が先行して株価がついてこず、原子力は実需があるのに株価が控えめだった。半導体検査は、実需と株価の向きが揃っている。今週の値動きは、その結論をそのまま裏づけた形だ。

もちろん、テーマ株を扱うのはその週に上がる銘柄を探すためではない。ただ、構造を理解したうえで保有している銘柄が、その構造どおりに動いたことは記録しておく価値がある。

上昇銘柄を見る

① 辻・本郷ITコンサルティング(476A)+51.66%

この株はIPOで当選し、なんとなく将来性を感じてそのまま持ち続けていた。雰囲気投資家らしい保有理由だが、今週はその「なんとなく」が大きく報われる形になった。

9月30日の取引終了後、会計・人事分野のBPO(業務の外部委託)とコンサルティングを手がけるCSアカウンティングの全株式を取得し、子会社化すると発表した。取得価額は40億900万円、取得予定日は10月23日。翌10月1日は買い注文が殺到し、ストップ高の2,060円(前日比+400円、+24.10%)で引けている。

この買収の大きさは、会社の規模と並べると分かる。辻・本郷ITコンサルティングは上場して1年に満たない会社で、上場時の公開価格ベースの時価総額は約36億円だった。自社の時価総額に近い金額で、会社を一つ買うことになる。市場では、対象のCSアカウンティングは営業利益5億円規模と伝えられており、自社の利益規模に匹敵する。

面白いのは、その2日前の動きだ。9月28日、同社は相続関連のプラットフォーム事業をMILIZEに譲渡すると発表していた。この譲渡益として約8,400万円の特別利益を計上する見込みだという。周辺の事業を売り、本業に近いBPOの会社を買う。 2日違いで、事業の形をはっきりと組み替えている。

会社によれば、2026年9月期の業績への影響は軽微とされる。取得日が10月23日で、9月末の決算期を越えるためだ。買収の効果が数字に出てくるのは2027年9月期からになる。

注意点も書いておく。大株主のHongo holdingsや伊藤忠商事が多くの株を持っており、市場で売買される株は少ない。売買が薄い株は、上がるときも下がるときも値動きが荒くなる。+51.66%という数字の大きさには、その要素も含まれている。

なんとなく持っていた株だからこそ、ここからは「なんとなく」ではなく数字で見ていく必要がある。2027年9月期の決算で、買収した会社の利益がどれだけ上乗せされるか。それが、この株を持ち続けるかどうかの判断材料になる。

② フォームファクター(FORM)+14.85%

今週の個別材料は出ていない。上がった理由は、マイクロンの決算だ。

マイクロンはHBMを作るメモリーメーカーで、プローブカードの顧客にあたる。月曜の記事で書いた通り、HBMは何層も積み重ねる前に1枚ずつ検査する必要があり、その検査にプローブカードが使われる。メモリーメーカーが「需給は2028年にかけてさらに逼迫する」と言えば、それはそのまま検査需要が続くという意味になる。

水曜の記事を書いた9月29日時点の株価は約136ドルだった。今週末には約150ドルまで上がり、6月末につけた52週高値の160.27ドルが見えてきている。

10月下旬の3Q決算では、HBM向けからDDR向けへの構成変化がどれだけ利益率に影響するかを確認する。今週の上昇は、その答えを待たずに先回りした動きでもある。

③ 日本電子材料(6855)+9.22%

理由はフォームファクターと同じだ。マイクロンの決算でメモリー向けプローブカードへの期待が高まった。

火曜の記事を書いた9月29日の株価は7,630円で、5月13日の8,260円より安いことを書いた。今週末の株価は8,290円。4日で5月の水準を取り戻した。

金曜の比較で、日本電子材料は9社の中で最も控えめに評価されている会社だった。成長織り込み倍率は1.45で、他の8社より明らかに低い。その会社が、同業のフォームファクターと同じ材料で、同じ方向に動いた。評価の差が少しだけ縮んだ週と言える。

11月上旬の中間決算で、1Qのペースが2Qも続くかどうかが次の判断材料になる。

下落銘柄を見る

①〜③ ジャックス(8584)-8.27%、SBI新生銀行(8303)-7.38%、オリックス(8591)-6.90%

3社は、まとめて見る方が分かりやすい。いずれも今週、会社固有の悪材料は確認できていない。共通しているのは、クレジット、銀行、リースという金融関連の会社であることだ。

理由は2つ考えられる。

1つ目は、半導体への資金移動。 上で書いた通り、今週は資金が半導体に集中した。これまで買われてきた金融やバリュー株から資金が抜け、半導体に向かった。10月1日は米国の長期金利が急上昇するリスクが和らいだことも、テック株の買い戻しにつながったと伝えられている。金利の上昇が業績の追い風になる金融株にとっては、逆の材料になる。

2つ目は、配当の権利落ち。 9月30日を基準日とする中間配当の権利落ち日が、今週の9月29日だった。3社とも9月30日基準の中間配当がある。 ジャックスとオリックスはもともと中間配当を出している高配当株で、SBI新生銀行は再上場後、今回が初めての中間配当になる。権利落ち日には配当分だけ株価が下がるので、今週の下落率のうち一部はこの配当落ち分と考えられる。

前の2週と並べると、金融関連の動きに一つの流れが見える。

週下落TOP3の金融関連背景
Week07KDX不動産投資法人金利の先行き不透明感
Week08楽天グループ、MS&AD長期金利が約30年ぶりの高水準
Week09ジャックス、SBI新生銀行、オリックス半導体への資金移動、配当の権利落ち

3週続けて、下落側に金利や金融に関わる銘柄が並んでいる。理由はそれぞれ違うが、金利をめぐる相場の揺れが、自分のポートフォリオの下値側に繰り返し効いていることは確かだ。

ポートフォリオ全体について

コア(インデックス)とサテライト(個別株)の比率は約64:36で運用している。

今週は、指数が大きく上がった週に、個別株の構成のせいで自分のポートフォリオが下がった。半導体だけに集中していれば今週は大きく勝てていたが、それは半導体が下がる週に同じだけ負けることを意味する。

金融や内需のバリュー株を持っているのは、半導体とは違う動きをするからだ。今週はそれが裏目に出た。ただ、Week08の土曜に書いた通り、上がる週があれば同じだけ下がる週もある。分散しているからこそ、今週のような指数との逆行が起きる。 それを受け入れたうえでの構成だと考えている。

来週に向けて

Week09の半導体検査は今日で終わり。5日間の結論を一行でまとめるなら、**「AIの恩恵はテスト工程に集中し、市場もそれにしっかり値段をつけている」**になる。

保有している日本電子材料は、11月上旬の中間決算で1Qのペースが続くかを確認する。フォームファクターは、10月下旬の3Q決算でHBMからDDRへの構成変化がどれだけ利益率に響くかを見る。アドバンテストは売却済みのまま、次に業績が落ちたときの理由を見分けることにする。

来週は金融を扱う。上の表の通り、3週続けて自分のポートフォリオの下落側に金利や金融に関わる銘柄が並んだ。ジャックス、SBI新生銀行、オリックス、MS&AD、楽天グループと、保有している銘柄も多い。テーマ株として新しい分野を見るというより、下がり続けている自分の持ち株を、正面から点検する週になる。

本ブログは個人の投資記録・考察であり、投資助言ではありません。掲載情報の正確性は最善の注意を払っていますが保証するものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いします。