イーレックス——親会社帰属利益+151.7%の新電力。ただしQ1進捗率13.4%は要注意
火曜のJパワーは「石炭火力の王者」という大手だったが、今日取り上げるイーレックスは新電力(独立系の電力会社)だ。同じ電力インフラでも、立ち位置がまったく違う2社を並べることで、このテーマの幅広さが見えてくる。
基本データ(2026年8月26日時点)
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 株価(直近) | 884〜890円 |
| 2026年3月期 売上高 | 微減 |
| 2026年3月期 営業利益 | +5.3% |
| 2026年3月期 税引前利益 | +41.8% |
| 2026年3月期 親会社帰属当期利益 | +151.7% |
| 2027年3月期Q1(8/10発表) 経常利益 | 12.43億円 |
| 会社予想に対する進捗率 | 13.4% |
何をやっている会社か
新電力(電力自由化以降に参入した独立系の電力小売会社)の草分け的存在。バイオマス発電を中心とした自社電源を持ちながら、電力小売事業も展開する「発電と小売の両方を手掛ける」タイプの企業だ。脱炭素ニーズの高まりを受けて、バイオマス発電の拡大に力を入れている。
前期の親会社帰属利益+151.7%をどう読むか
2026年3月期は売上高こそ微減だったが、営業利益+5.3%・税引前利益+41.8%・親会社帰属当期利益+151.7%という大幅増益を達成した。電力小売事業では減収だったが、国内発電所の安定稼働と燃料販売の増加がそれを補い、収益性が向上した。過去8四半期を見ても業績は改善傾向にあり、純利益率・自己資本比率ともに前年同期比で持ち直している。
Q1進捗率13.4%という数字が示す注意点
一方で、8月10日発表の2027年3月期第1四半期は、経常利益12.43億円で会社予想に対する進捗率が13.4%にとどまっている。単純に4四半期で割ると25%が目安になるので、これだけ見るとスロースタートに見える。ただし電力事業は季節性(夏・冬の需要期に利益が偏る)が強い業種でもあるため、この数字だけで通期の成否を判断するのは早計だと考えている。今後の四半期でどう挽回してくるかを見ていきたい。
新電力というポジションの二面性
新電力は電力自由化の恩恵を受けて成長してきた業態だが、同時に卸電力市場の価格変動や燃料コストの影響を受けやすいという弱点も持つ。Jパワーのような「発電設備を持つ大手」と違い、電源構成やコスト管理の巧拙が業績に直結しやすい。イーレックスはバイオマス発電という自社電源を持つことで、この弱点をある程度補っている点が評価ポイントだと感じている。
AIデータセンター需要との接点
新電力にとって、データセンター向けの電力需要増加は新規の大口顧客獲得というビジネスチャンスになりうる。Jパワーのような卸売中心の企業とは違う角度で、データセンター特需の恩恵を受けられる可能性がある業態だ。
保有していない立場から見て
前期の大幅増益は評価できる一方、直近四半期の進捗率13.4%という数字は少し気になる。次の四半期決算で挽回の兆しが見えるかを確認してから判断したい。今の884〜890円という水準は、増益基調が続く前提であれば決して高くはないと見ている。
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