インデックスと、それから
Week 04 電力・エネルギーインフラ
解説深掘り①深掘り②深掘り③比較自分株
Week 04電力・エネルギーインフラ
2026.08.24  ·  月曜 / テーマ解説

電力・エネルギーインフラ——AI半導体の「脳」を動かす、地味だが逃げられない大黒柱

先週はAI半導体という「脳」を見てきた。どれだけ優れたチップを作っても、それを動かす電力がなければ何も始まらない。今週は先週何度も話題に出た「電力供給の制約」そのものを主役に据える。

世界のデータセンター電力消費、前年比+26%

Gartnerの予測では、2026年の世界のデータセンター電力消費は前年比26%増の565テラワット時(TWh)に達する見通しだ。AI最適化サーバーの導入がこの増加を牽引しており、2026年にはデータセンター全体の電力消費の31%をAI最適化サーバーが占め、2027年には従来型サーバーを上回るとされている。

日本国内も急増局面に入っている

国内のデータセンター新増設に伴う電力需要は、電力広域的運営推進機関の想定によれば2025年度の47万kWから2034年度には616万kWへと急増する見通しだ。伸びが特に大きいのは北海道・東京・中国エリアで、系統(送電網)への接続が拡大のボトルネックになりつつある。

Gartnerの日本担当アナリストも「国内では発電能力の不足ではなく、送電設備の整備が追いついていないことが主な要因」と指摘しており、**「電力が足りない」のではなく「電気を運ぶ設備が追いついていない」**という構図が今の日本の実情に近い。

政府も本腰——補助金・地域分散策

総務省は2025年6月に「デジタルインフラ整備計画2030」を策定し、東京圏・大阪圏以外のデータセンター・海底ケーブルの整備に補助率1/2〜4/5という手厚い支援を打ち出した。経産省も2025年8月に「GX戦略地域制度」を創設し、2026年度から5年間で総額2,100億円を投じる。脱炭素電力100%使用を条件に、北海道・秋田・宮城・栃木・茨城・富山・香川・福岡・鹿児島の9地域がデータセンター集積型の有望地域として選定されている。

政策の後押しがあるという点は、このテーマが一過性のブームで終わらない根拠のひとつだと考えている。

サプライチェーンで見る

段階役割想定される銘柄タイプ
発電電力そのものを作る電力会社・再エネ発電事業者
送配電網電気を運ぶ・系統を強化する送配電関連・重電メーカー
需給調整・小売電力を売る・調達する新電力・独立系電力会社
蓄電・バックアップ電力を貯める・安定させる蓄電池関連
冷却・データセンター設備データセンター内部のインフラ電気設備工事・空調関連

このテーマの評価指標

先週のAI半導体は高PSR銘柄が目立ったが、電力インフラは伝統的な業種が多く、PER・PBR・配当利回りで素直に評価できる銘柄が中心になる。ただし「AI×データセンター×再エネ」というテーマ性で買われ、PER40倍を超える銘柄も出てきているため、一概に「地味だから割安」とは言えない点には注意したい。

今週は火曜にJパワー、水曜にイーレックス、木曜に関電工を深掘りし、金曜に他の関連銘柄を加えた比較を行う予定。

本ブログは個人の投資記録・考察であり、投資助言ではありません。掲載情報の正確性は最善の注意を払っていますが保証するものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いします。