Jパワー——PER3〜5倍台という極端な割安。石炭火力の王者は再評価されるか
保有銘柄から今週を始める。Jパワー(電源開発)は正直、地味な銘柄だ。しかしその地味さの裏で、極端なバリュエーションの歪みが放置され続けている。
基本データ(2026年8月25日時点)
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 2026年3月期 売上高 | 1兆1,822億円(前期比-10.2%) |
| 2026年3月期 営業利益 | 1,009億円(同-27.0%) |
| 2026年3月期 経常利益 | 1,585億円(同+13.2%・増益) |
| 2026年4-6月期 純利益 | 前年比-47%(前年の米ガス火力売却益の反動) |
| PER | 約3〜5倍台 |
| PBR | 約0.52倍 |
| 予想配当利回り | 約2.4〜2.5% |
何をやっている会社か
石炭火力と水力発電を主体に、電力各社へ電力を卸供給する「電源開発」が正式名称の会社だ。自社で発電した電力を一般家庭に直接売るのではなく、電力会社に卸すという独特のビジネスモデルを持つ。海外(タイなど)でも発電事業を展開しており、持分法投資利益も業績に大きく影響する。
数字が語る「極端な割安」
PER3〜5倍台・PBR0.52倍という水準は、東証プライム全体で見てもかなり際立って低い部類に入る。売上高1兆円超の大型インフラ企業でありながら、市場からはほとんど評価されていないと言っていい状態だ。営業利益900〜1,300億円規模を維持している実態を考えると、この割安さは「業績が悪いから」というより「石炭火力=ESG的に敬遠されやすい」という市場のイメージが強く影響していると見ている。
直近決算の中身——見た目ほど悪くない
2026年3月期は売上・営業利益ともに減少しているが、経常利益は+13.2%の増益だった。海外事業での持分法投資利益の増加が寄与した形だ。4-6月期の純利益-47%も、前年に米国ガス火力を売却した際の一時的な利益(の反動)が主因であり、事業の継続的な収益力が急激に悪化したわけではない。水力発電の出水率低下、容量市場価格の下落、修繕費増加といった要因も業績に影響しているが、いずれも構造的な崩れというより短期的な変動要因だ。
株主還元は前向き
自己株式の取得と、取得株の消却を決議しており、配当も増額予定とされている。資本効率と株主還元姿勢の明確化は、割安に放置されている株価を見直す材料になりうる。
アンモニア混焼という長期の布石
石炭火力にアンモニアを混焼させることでCO2排出を削減する技術に、国内で最も積極的に取り組んでいる企業のひとつだ。石炭火力を即座に廃止するのではなく、現実的な形で脱炭素化を進める路線であり、今週のテーマである「AIデータセンターの電力需要増加」という文脈でも、安定的なベースロード電源としての価値が見直される可能性がある。
保有している立場から
特定口座・NISA成長投資枠合わせて130株を保有中で、含み益が乗っている状態だ。PER3〜5倍台・PBR0.52倍という水準は、正直まだ「割安すぎる」と感じている。データセンター向けの電力需要が本格的に増加する局面で、石炭火力・水力という安定電源を持つJパワーが再評価される余地は十分にあると見ており、保有継続の方針に変わりはない。
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