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Week 06 EV・電動化
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Week 06EV・電動化
2026.09.10  ·  木曜 / BYD 深掘り

BYD——「一人勝ちから一人負けへ」。バフェット氏が株式全売却した中国EV最大手の今

火曜のトヨタ、水曜のパナソニックHDと日本企業を見てきたが、今日は中国のEV最大手BYDを取り上げる。世界最大のEVメーカーでありながら、国内販売の失速と株価下落に直面している、今週で最も明暗が分かれた銘柄かもしれない。

何をやっている会社か

1995年設立、EV・PHV(プラグインハイブリッド)の製造販売に特化した「新エネルギー車」大手。2022年にはEV販売台数でテスラを抜いて世界首位に立ち、2024年には年間販売台数427万台で中国国内首位となった。自社開発の「ブレードバッテリー」(LFPリチウムイオン電池)を武器に、電池からモーター、車体までを内製する垂直統合モデルが強みだ。

「一人勝ちから一人負けへ」という劇的な転落

2025年7〜9月期決算は、売上高が前年同期比3.1%減、純利益が32.6%減という減収減益に沈んだ。9月の中国国内販売は前年同月比15.8%減の32万5,400台まで落ち込み、1年7ヶ月ぶりの前年割れを記録している。吉利汽車(ジーリー)など国内競合の猛追に加え、当局の値引き規制も業績に影を落とした。著名投資家ウォーレン・バフェット氏が保有していたBYD株を全売却したというニュースも話題になった。

それでも海外販売は伸びている

一方で明るい材料もある。2026年7月の新車販売台数は前年同月比+22%の41万9,211台となり、海外販売比率が初めて4割を超えた。国内の伸び悩みを海外需要が補う構図で、2026年1〜9月累計の海外販売は前年同月比+107%という驚異的な伸びを見せている。2026年上半期には輸出台数が販売台数の44%を占めるまでに拡大しており、グローバル展開が着実に進んでいることがうかがえる。

通期見通しは下方修正、それでも首位は維持

年初に掲げた年間目標550万台の達成は困難となり、会社側はすでに460万台へ目標を下方修正している。それでも通期430万台超は視野に入っており、中国市場での年間首位維持には懸念がないとみられている。急成長の踊り場を迎えながらも、規模そのものは依然として世界最大級を維持している状態だ。

収益性悪化の背景

第3四半期の営業利益率は5%台にとどまり、研究開発費の増加が収益を圧迫している。BEV(純電気自動車)販売は増加している一方、PHEV(プラグインハイブリッド)販売の下落が全体の足を引っ張っている。将来への種まきとしての研究開発投資と、目先の収益性のバランスをどう取るかが、当面の課題になっていると見ている。

トヨタ・パナソニックとの対比

火曜のトヨタは「全方位戦略」でHEV中心の手堅い成長を見せ、水曜のパナソニックHDは構造改革による電池シフトで株価が急騰した。BYDは「EV・PHVへの全振り」という最も先鋭的な戦略を取ってきた企業だが、それゆえに中国国内の競争激化・値引き規制という逆風を最も強く受けている。電動化戦略の「振り切り方」によって明暗が分かれる好例だと感じる。

保有していない立場から見て

株価はピーク時より3割下がっているとされ、短期的には逆風が続いている状態だ。ただし海外販売の伸びと世界首位のポジションを考えると、中長期では巻き返す余地は十分にあると見ている。国内販売の底打ちが確認できるタイミングまでは、様子見を続けたい。

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