インデックスと、それから
Week 05 蓄電池・エネルギー貯蔵
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Week 05蓄電池・エネルギー貯蔵
2026.08.31  ·  月曜 / テーマ解説

蓄電池・エネルギー貯蔵——「電力の器」を今週の主役にする

今週のテーマは蓄電池・エネルギー貯蔵。蓄電池というテーマは単独でじっくり扱う価値があると考え、今週まとめて取り上げることにした。

なぜ蓄電池が必要なのか

先々週のAI半導体、先週の電力インフラで見てきたのは「作る側」「送る側」の話だった。しかし電力には根本的な弱点がある——貯めておけないという点だ。太陽光・風力のような再生可能エネルギーは天候次第で出力が変動し、AIデータセンターのような24時間稼働の巨大消費地には安定供給が欠かせない。この「作る量」と「使う量」のズレを埋めるのが蓄電池・エネルギー貯蔵システム(BESS:Battery Energy Storage System)の役割だ。

パワーエックスという企業の現在地

今週の主役として取り上げるパワーエックス(485A)は、2021年創業・2025年12月に東証グロースへ上場したベンチャー企業だ。株価は蓄電池ブームを背景に大きく上昇し、一時は上場時比で10倍超まで高騰、6月時点でも約6倍(株式分割考慮後)という水準にある。

事業は大型蓄電池の製造・販売、量産型コンテナデータセンターの開発・販売、再生可能エネルギー電力供給、EV充電ステーションと多岐にわたる。系統用の大型BESSと充電器内蔵型蓄電池に強みを持ち、企画・設計・国内生産・販売・保守・運用ソフトウェアまでを一体で提供する垂直統合モデルが特徴だ。

好材料は揃っている

2026年12月期第1四半期は赤字だったが、受注残は通期売上予想の93.8%まで積み上がっており、下期に向けた業績の視認性は比較的高い状態にある。北海道苫小牧市では新工場を計画中で、生産能力増強を急いでいる。8月3日には系統用蓄電システムの新製品発表会を開催し、パワーコンディショナ(PCS)の内製化を柱とした新製品・技術を公表した。基幹部品の調達についても、中国依存からベトナム・タイなど東南アジアへの多元化を2027年から進める方針だ。第7次エネルギー基本計画による政策的な追い風もある。

それでも冷静になるべき理由

株価は予想PER264倍・PBR47倍という極端な水準にある。日光蓄電所向けの大型受注も好材料として報じられたが、実際にはすでに受注見込みとして開示されていた案件が可視化されたものであり、まったくの新材料ではない点は理解しておく必要がある。上場からわずか数ヶ月で株価が大きく買われた分、期待値の高さと業績の実態がどこまで一致しているかを見極める必要がある銘柄だと感じている。

競合との比較軸

住友電工(先々週の光通信テーマでも登場)はレドックスフロー電池という異なる方式で蓄電領域に参入している。電解液を外部タンクに貯蔵する方式で、長時間蓄電・充放電回数の多い用途に向く。パワーエックスのリチウムイオン電池とは技術方式が異なるが、電力会社・発電事業者・商社が投じる設備予算という同じパイを取り合う競合関係にある。ニチコンは家庭用・V2H(車から家への給電)領域で強みを持ち、パワーエックスとは棲み分けがある。

このテーマの評価指標

パワーエックスのような高PER・高PBR銘柄はPSRや受注残の進捗率で評価し、住友電工のような大型企業はPERで素直に評価する。海外勢(Fluence Energy・CATLなど)も交えて、蓄電池という技術がどこで収益化されているかを丁寧に見ていきたい週になる。

今週は火曜にパワーエックス、水曜以降に住友電工の蓄電池事業・海外勢を深掘りしていく予定。

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