アドバンテスト——3期連続最高益見込みなのに、AI・半導体株総崩れの渦中にいる
火曜のBroadcom、水曜の東京エレクトロンに続き、3日連続で「好業績なのに株価が売られる」パターンを見ることになった。しかも今日8月19日は日経平均が終値で2,134円安という、AI・半導体株全体が総崩れになった日だ。
基本データ(2026年8月19-20日時点)
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 時価総額 | 約20.1兆円(7月時点) |
| 直近決算(2027年3月期1Q) | 売上高3,675億円(前年同期比+39.3%) |
| 営業利益 | 1,900億円(同+53.3%) |
| 四半期利益 | 1,748億円(同+93.8%) |
| 通期業績予想 | 大幅上方修正済み・3期連続最高益見込み |
| 市場全体の状況 | 8/19日経平均終値-2,134円、AI・半導体株総崩れ |
何をやっている会社か
半導体テスト装置(半導体デバイスが正常に動作するかを検査する装置)の世界大手。特にDRAM用テストシステムでトップシェアを持ち、電子ビーム技術にも強みを持つ。生成AI向け半導体、とりわけHBM(広帯域メモリ)向けのテスト需要が急拡大しており、AI半導体サプライチェーンの中でも「品質保証」という欠かせない工程を担う。
決算内容は今週で最も強い
2027年3月期第1四半期は、AI関連半導体向けテスタ需要の急拡大を背景に、売上高が前年同期比+39.3%の3,675億円、営業利益が+53.3%の1,900億円、四半期利益が+93.8%の1,748億円と、いずれも四半期ベースで過去最高を更新した。通期業績予想も大幅に上方修正されており、会社側は3期連続の最高益を見込んでいる。過去12四半期の業績推移を見ても、営業利益率・純利益率が前年同期比で明確に上昇し続けており、ROE・ROAともに一般的に望ましいとされる水準を大きく上回る。今週深掘りした3社の中で、最も業績の勢いが強い企業だと言える。
それでも直近3週間で約23%下落している
会社が記録的な業績見通しを示す一方で、株価はピークから3週間で約23%下落している。7月中旬にはASMLの開示をきっかけに半導体・AI関連株が世界的な急落に見舞われ、7月17日にはキオクシアが16%超下落、日経平均も7月16日に-1,915円・17日に-2,694円と続落する場面があった。アドバンテストもこの流れに巻き込まれた。
そして本日8月19日も、AI・半導体株総崩れという地合いの中で東証は一時2,300円超の下落を見せている。中東情勢への不安も背景にあると報じられている。
業績と株価の乖離、掲示板でも割れる見方
この業績と株価の乖離は投資家の間でも議論になっており、掲示板の投票では「強く売りたい」42.2%・「強く買いたい」32.1%と、弱気合計が強気合計をやや上回る状態だ。生成AI・HBM向けテスト需要の持続性、四半期決算での上方修正の有無、米国半導体株との連動性、セクター全体の地合いが主な論点として観測されている。
今週3社に共通する構図
火曜のBroadcom(金融構造リスク)、水曜の東京エレクトロン(デッドクロス+AI株過熱警戒)、そして今日のアドバンテスト(セクター全体の急落)——理由はそれぞれ異なるが、共通しているのは「個社の業績には問題がない」という点だ。AI半導体セクター全体に対する短期的な過熱警戒・利益確定売りが、好業績企業まで一緒くたに巻き込んでいる状態だと見ている。
保有していない立場から見て
3期連続最高益を見込む企業が3週間で23%下落し、しかも今日さらに市場全体が急落しているという状況は、短期的な恐怖と長期的なファンダメンタルズが最も乖離しているタイミングかもしれない。ただしAI・半導体株全体の調整がどこで底を打つかは誰にも分からない。慌てて逆張りするより、この急落が数日続くかどうかを見極めてから判断したい。
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