AI半導体・データセンター向け——先週の「血管」から、今週は「脳」の話をする
先週は光通信というAIデータセンターの「血管」を見てきた。今週はその血管に流れる情報を処理する「脳」——AI半導体そのものに焦点を当てる。CPOという接続技術の話から、今度はその接続の先にある計算資源の話へと自然につながる一週間だ。
設備投資の規模がもう一段階違う
ゴールドマン・サックスの予測では、2025年から2027年にかけてのハイパースケーラー企業(Amazon・Microsoft・Google・Metaなど)の設備投資総額は$1兆1,500億に達する見通しで、これは2022〜2024年の$4,770億から2倍以上に膨らむ計算だ。米国のデータセンター建設費は2025年12月時点で月間$451億に達し、2年前から85%増加している。
この投資の多くがAI半導体・サーバー・関連インフラに向かっている。
半導体のリードタイムが40週に達している
供給側の逼迫も見逃せない。半導体のリードタイム(発注から納品までの期間)は2026年3月時点で40週に達しており、AIデータセンターで大量に消費されるメモリICや光ファイバー部品は最も深刻な供給制約に直面しているカテゴリーの一つだという。需要が強いだけでなく、「作りたくても作れない」という供給側のボトルネックが価格・業績の両面に効いている構造がある。
市場規模の見通し
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 世界のAIデータセンター市場(2025年) | $177億 |
| 2026年見込み | $213億 |
| 2034年予測 | $1,335億(CAGR約25.8%) |
| ロジック製品市場(2026年、AI半導体含む) | $3,909億(前年比+32.1%) |
| メモリー製品市場(2026年) | $2,948億 |
ロジック(GPU等の演算チップ)とメモリー(DRAM・HBM等)の両輪でAI半導体市場は拡大している。特にメモリーはAI需要を見越したデータセンター投資と強く連動しており、供給不足も指摘されている。
このテーマの評価指標
今週登場する8社は性格が大きく異なる。Broadcom・東京エレクトロン・アドバンテストのような大型黒字企業はPERで評価し、Astera LabsのようなIPO直後の高成長企業はPSRを併用する。日本のインフラ企業(クラフティア)は独自の需要構造を持つため、個別に読み解く必要がある。
AIトレード自体への懐疑論にも触れておく
強気な話ばかりではない。AIトレードが始まって3年が経ち、2026年は正念場という見方も出ている。GPU・DRAM需要自体は2026年前半まで強い見通しだが、電力供給の制約や、大口顧客(Amazon・Microsoft等)が株主圧力で設備投資を減速させるリスクも指摘されている。過熱しているからこそ、個別企業の実力を数字で見極める必要がある週だと思っている。
今週の8社
| 銘柄 | 国 | 性格 |
|---|---|---|
| Broadcom(AVGO) | 米国 | 王道・安定株 |
| Astera Labs(ALAB) | 米国 | 夢株寄り・高成長 |
| Credo Technology(CRDO) | 米国 | 光通信×AI半導体の橋渡し |
| 東京エレクトロン(8035) | 日本 | 王道・大型株 |
| アドバンテスト(6857) | 日本 | 半導体テスタ世界大手 |
| クラフティア(1959) | 日本 | データセンター電気設備 |
| キオクシアHD(285A) | 日本 | ストレージ側の本命 |
今週は火曜にBroadcom、水曜に東京エレクトロン、木曜にアドバンテストを深掘りし、金曜に残り5社を加えた8社一括比較を行う。
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